科学幻想妖異記-Ⅳ.マーメイデン
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「素直に渡せ。両手両足固めて、探られたくないだろ」
「パスはここだ。面倒が増えるぞ」
逆手で眼を指す。メドーサの石膏化は約30分。非常ボタンから『上』の出動まで20分。重石を担ぐ暇はないはずだ。
「当然くり抜いても無駄だ。瞳孔収縮と連動してる」
「そんなわけない。パスは、麗華(レイファ)の……」
バイオガンに掛かった指が弛む。冷静沈着の代名詞、深空らしからぬ動揺。――あと7秒。
「だから、移植して『ここ』にある」
4秒。3秒。弛んだ指が一気に引き金を引いた。
2。1、ゼロ!エレベーターが閉じる寸前に滑り込み、ポケットのカプセルを投げ付けて割る。水雷幽魚(マーメイデン)のヒレが水浸しの廊下に接触し、電撃を食らった深空が倒れる。
「志度ぉぉぉっ!!」
降下を始めたエレベーターに絶叫が谺す。
折れた肋に障る。良い位置に当たったが、固定しても痛覚は同じ。中央管理室まで、気絶してられたら楽なんだが。
「パスはここだ。面倒が増えるぞ」
逆手で眼を指す。メドーサの石膏化は約30分。非常ボタンから『上』の出動まで20分。重石を担ぐ暇はないはずだ。
「当然くり抜いても無駄だ。瞳孔収縮と連動してる」
「そんなわけない。パスは、麗華(レイファ)の……」
バイオガンに掛かった指が弛む。冷静沈着の代名詞、深空らしからぬ動揺。――あと7秒。
「だから、移植して『ここ』にある」
4秒。3秒。弛んだ指が一気に引き金を引いた。
2。1、ゼロ!エレベーターが閉じる寸前に滑り込み、ポケットのカプセルを投げ付けて割る。水雷幽魚(マーメイデン)のヒレが水浸しの廊下に接触し、電撃を食らった深空が倒れる。
「志度ぉぉぉっ!!」
降下を始めたエレベーターに絶叫が谺す。
折れた肋に障る。良い位置に当たったが、固定しても痛覚は同じ。中央管理室まで、気絶してられたら楽なんだが。
ファンタジー
公開:19/08/26 14:00
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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