ひとつの空

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別れはいつも突然だ。君はお父さんの仕事の関係で遠いところにいってしまった。
まだインターネットなんかない時代。
月に一度届く手紙をどんなに楽しみにしていたことか。
何処か遠くで同じ空の下、君も同じ月を見ているのかな?
そう考えながら空を見上げたっけ。だからまた君に会えた時は、言葉では言い表せないぐらい嬉しかったよ。
その日をどんなに心待ちにしていたか。
それから一緒に過ごした日々は今でも僕の宝物だ。
最後まで決して希望を棄てようとしない僕の事を好きと言ってくれた、あの言葉が今も脳裏に焼き付いている。
二度目の別れは突然だった。君は空の上に旅立ってしまった。
もう空を見上げでも、同じ空の下に君はもういない。
君の元へすぐにでも行きたかったけど、あの時の言葉を思い出して、希望を棄てずに生きてきたよ。
だからもういいよね。もうすぐ君の元に旅立つよ。えらく年老いた僕を見てもどうか驚かないでね。
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公開:19/08/26 07:00
星空 同じ空 別れ

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