科学幻想妖異記-Ⅰ.ティンカー

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強化アクリルの向こうに、乱舞する光の粒子。
透明な翅の蛍?そんな無害なものじゃない。燐光を放ちながら、佇む白衣に群がり、埋め尽くしていく。
第二種危険生物。飛妖光蟲(ティンカー)。
このラボも汚染された。区画封鎖するしかない。カバーを叩き割って非常ボタンを押す。ブザーが響き渡り、隔壁が閉じ始める。
ティンカーは、蛍と蚊の交配改良種。吸血時に抗体反応(痒み)を起こさず、菌も媒介しない。在来種の駆逐と観賞を目的に造られ、世界中にばら撒かれる予定だった。

隔壁の隙間で光が飛散し、白衣の骨格標本が崩れる。
吸血時、ティンカーが注入する唾液は、生体アミノ酸を分解し、発光素を合成する。大量に集られれば、麻痺して動けないまま、光と骨に変えられる。――ぴしゃ。誰かの体液がアクリルに跳ねて煌めいた。

先が思いやられる。
ティンカーだけじゃない。研究所全体がバイオハザードの巣窟。早く止めないと世界が焉る。
ファンタジー
公開:19/08/25 23:03
SFダークファンタジーと バイオハザード(生物災害)

創樹( 富山 )

創樹(もとき)と申します。
前職は花屋。現在は葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書き(もどき)をしております。

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