信じるココロ

2
6

此処はとある小さな神社だ。
深い森に囲まれて、外界から完全に隔離されているのではないかとさえ思う。
俺は独り、まるで樹木の海のような深い海を三日三晩彷徨い歩いて今朝此処に辿り着いた。
未練や迷いを断ち切り、全てを終わらせる為に。未来を断ち切る為に。
此処は不思議な場所だ。
神や仏を信じるわけじゃないが心が落ち着く。恐怖心が和らいでいくのを感じる。
神は救ってくれるのか?
此処にいるのがどんな神かすら俺にはわからないが。
俺の無言の問いに、奴は無言で応えてくれたようだ。
不安感や恐怖が完全に消え、前向きにすらなってきた。
「ありがとう。」
捻くれた性格の俺だが、初めてそう言えた気がする。
最期を迎えに此処に来たが、恐怖心や不安で俺の心は押し潰されそうだった。
これでもう大丈夫。安らかに眠れそうだ。
ミステリー・推理
公開:19/08/25 20:12
更新:19/08/25 23:44
樹海 神社 眠り

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容