扉を開くと・あの頃の夕焼け

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扉を開くと、教室の窓際に一人の女子生徒が座っていた。
放課後の夕焼けに照らされた表情にドキドキする。
数秒見とれてから、あれ? と思い直す。
今日って晴れてたっけ?
すると向こうがこちらの存在に気付いて、目を見開く。
「あの……?」
見ない顔。このクラスの生徒ではない。何年生だろう。部活動には入っていないのだろうか。
……けれどどこかで見たことがあるような気もする。
「あ、ご、めん」
慌てた彼女は急ぎ足で教室から飛び出す。その左手に、水色と灰色が混じったような何かが入っている瓶が握られていた。
彼女が教室から飛び出した瞬間。外の景色がざあ、と移り変わる。
水色と灰色が窓の外に広がる。
突然雨が降り出した。なぜ急に降り出したのか。

そう思っていると、教室の扉が開く。
「あれ、どうしたの?」
クラスの副担任の先生。
その手には、オレンジ色の、まるで夕焼けのような何かが入った瓶が握られていた。
ファンタジー
公開:19/08/25 19:51
更新:19/08/27 22:09
#扉を開くと

たけなが


たくさん物語が作れるよう、精進します。
よろしくお願いします!

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