科学幻想妖異記-Ⅻ.デーモン
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隔離扉のパネルに顔を合わせ、コードを打ち込む。網膜・瞳孔照合と、コード入力と、部外秘でもう一つ。
『コード・網膜パターン確認。お名前をどうぞ』
「黒麗華(ヘイ・レイファ)」
『全認証一致。ロック解除します』
完全に深空が黙る。後ろから刺されない為、持ち札は残らず明かす。折れて逃げるなら今の内だ。
「済まん、眼球移植はブラフだ。声も、低音も出せるが、これが地声」
「嘘だ。だって、そん……」
「俺の名前、志度・R・バーグレイ。Rは何の略だと思う?」
一連の事件が、深空の独断か、『上』との共謀なら簡単だった。深空の動機が、惚れた女を殺された復讐なら納得出来た。
しかし、俺の想像を上回って、敵は周到で悪辣だった。
「なぁ深空。さっきお前、『麗華が救えれば』と言ったな。彼女は去年、実験中の事故で死んだ。管理室の冷凍カプセルには、遺体が安置してあるはずなのに」
黒幕がとうとう、全容を現そうとしていた。
『コード・網膜パターン確認。お名前をどうぞ』
「黒麗華(ヘイ・レイファ)」
『全認証一致。ロック解除します』
完全に深空が黙る。後ろから刺されない為、持ち札は残らず明かす。折れて逃げるなら今の内だ。
「済まん、眼球移植はブラフだ。声も、低音も出せるが、これが地声」
「嘘だ。だって、そん……」
「俺の名前、志度・R・バーグレイ。Rは何の略だと思う?」
一連の事件が、深空の独断か、『上』との共謀なら簡単だった。深空の動機が、惚れた女を殺された復讐なら納得出来た。
しかし、俺の想像を上回って、敵は周到で悪辣だった。
「なぁ深空。さっきお前、『麗華が救えれば』と言ったな。彼女は去年、実験中の事故で死んだ。管理室の冷凍カプセルには、遺体が安置してあるはずなのに」
黒幕がとうとう、全容を現そうとしていた。
ファンタジー
公開:19/08/28 01:31
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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