セミ取りのプロ

俺はセミ取りのプロだ。今日も俺の助けを多くの人が待っている。
仕方ない…ちょっくら人助けしてきますか。
俺はこう見えて今年４５歳。結婚もしていて子供は３人いる。
それで仕事がセミ取りだなんて恥ずかしくないかって？
いいや。俺はこの仕事に誇りを持っている。
夏しかできない仕事だからこそ、この短い期間で多くの人を助けることに務めている。

俺は今日もスポーツクラブに呼ばれた。ここではプロを目指すアスリートがわんさかいる。
今日もアスリートからはミンミンと喧しくセミの声がする。俺はそれを片っ端から捕まえた。
するとどうだ。アスリート達はセミプロからプロに変わったじゃないか。これが俺の仕事さ。

次に俺は捕まえたセミを警察署へと持って行く。
そして受刑者達にセミをくっつけていった。
ここにいるのは犯罪のプロだ。そんな奴らがセミプロになる。
さらにあと１週間もすればそのセミも死んでプロでもなくなる。