せーのっ!

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「田舎の花火を侮ってはいけない」
従姉達が連れてきてくれた、ここは穴場だという。
「花火の迫力は、大きさでも、数でもなく、距離で決まる」
「すぐ傍で見れるってこと?」
「いや打ち上げる高さが低いの」
「近くで爆発するから、降り注ぐ火の粉から観客がきゃーきゃー逃げ惑う」
「マジ!」
「マジ」
「だから落ち着いて見るにはここがベスト」
「ひゅーって上る音も、さわさわと消えゆく火の粉の余韻も楽しめる」
「うん、消えていく時もきれいだよね」
「あれ、あそこ、いつまでも消えないのがある」
「ん、ありゃ飛行機だ」
「なにーセレブか、よし撃ち落せ!」
「許可する」
「あーダメ、花火が低い!」
かしましく冗談が飛ぶ。
「花火の音に驚いて、猫が逃げ出しました」
「えっなに?」
「私、わかった、ほら、次、一緒に掛け声ね」
「あ、そういう」
「せーのっ」
「タマやー!」
「いぇーい♪」
輪になって、ハイタッチ!
その他
公開:19/08/23 04:58
更新:19/08/26 20:21
文字数足りなくて 開き直ってみました どうだあ!

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