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響は音から生まれた猫。姿は見えないが僕のかわいいペットだ。

「響!ご飯~」
レミレミレミレミ
姿もなく足音を奏でながら足元へ寄ってきて、ドミソソっと丸くなる。
そして僕の手の平のご飯をファミファファと食べる。手の平からご飯が
消えていくのを見ていると愛おしい。

でもある日、事故で僕の世界から音が消えた。何も聞こえない。見えるけど聞こえない。だから響が僕に近寄ってきてもわからない。響も僕の世界からいなくなったのだ。

そんなのは、いやだ。
響に会いたい。

だから僕は音源を光源に変えて可視化するメガネを開発した。
ドレミファソラシを赤橙黄緑青藍紫で光らせて目で見る事が出来る。

「響!ご飯~」
橙黄橙黄橙黄橙黄
足音を光らせながら足元へ寄ってきて、赤黄青青っと丸くなる。

「見える!響が見えるよ!」

七色を奏でる猫が僕の足元でじゃれている。僕が手を出すと、手の平の先が紫に光った。
ファンタジー
公開:19/08/25 08:21
また猫? 猫ショートショート作家目指す?

たらはかに( 日本 )

たらはかに

https://twitter.com/tarahakani
猫ショートショート入選 「猫いちご ・練乳味」
渋谷ショートショート入選 「スク・ラブラブ・ランブル交差点(哀)」とか。

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