一筋の光

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「死にたい」と、心の何処かで小さく願っていた言葉が大きくなってきた。
前向きな言葉で取り繕ってみても一度心を覆ってしまった闇は消えることはなかったようだ。
それでも一筋でも光が差す限り、僕は死を選ぶことはなかった。
死ぬことも生きることも出来なかった僕に生き方を教えてくれた人は今は雲の上。

最期に僕がかけた言葉、
「生きてみせるよ。あっちで会った時、笑顔で挨拶を交わせるように。」
何故だろう?それを言い終える前に僕は目を逸らしてしまった。今ならわかる僕も一緒に連れて行って欲しかったんだ。
独りで生きていけるほど僕は強くない。生き方がまだわからなくなる。
だけどあの時、あの人について行ったら僕は天国へは行けなかっただろう。神様は僕を許してくれなかったはずだ。
僕は生きる。天国へ行けるよう 、許してもらえるように。そしてあの人にもう一度会えるように願う。
それが僕に差し込む一筋の光が。
青春
公開:19/08/25 01:03

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