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「元々この日はねん、罪人や引き取り手の無い死体の頭部を荷台に乗せて、無縁塚に運ぶ日だったんだよん。それで道が混んだのよん、護頭日(ごとうび)とも言ったのねん」
先輩が瞳を金色に輝かせて言った。今日が初仕事になる僕の緊張を、解そうとしてくれているのだろうか?
「そういえば五十日でしたね、でも初耳……う〜!今朝も冷えるなあ……」
「今から運ぶのは、猫神様からの御依頼品でねん、ちょっと見てみるん?」
「猫神様……何ですか?」
先輩は僕の問いには答えず、荷台のドアを開けた。
「うげぇ!これは!」
「怖気づいたか若僧!これは我が同族達の食い残し!だが、まだ利用価値はある……」
裂けたように開いた口からは白い息が漏れ、四本の鋭い牙がのぞいていた……。

「何事も信心よねん」
「はい先輩!」
寒風吹き荒ぶ冬の街。鰯の頭を積み込んだ、●●ネコヤマトの宅急便は今日も行く!
ファンタジー
公開:19/08/25 00:21
更新:19/09/02 08:42
猫神様 ボーナストラック

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