楽しみな二学期

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夏休みもわずか。
僕は一通の手紙を慶ちゃんに差し出す。
「こ、このて、手紙読んで」
初ラブレター。
「あ、あとこれ、畑で採れたから」
大玉のすいかを渡した。ちょっとしたプレゼントだ。
「ありがとう」と慶ちゃんは言う。
結局、僕は慶ちゃんの顔すら見ることが出来ないまま、電柱の影に隠れている友達の所へかけた。「よーやった!」友達が口々に言い、僕は誇らしく思った。

川岸に5mほどの岩がある。そこから川に飛び込むと、瞬間のヒヤッとする全身と川水の冷たさで暑さを忘れる。何度かやると身体も冷え、最後の飛び込みと岩山に立つと声がした。振り向くと慶ちゃんが立っていた。「あの話。ええよ」うつむき気味に慶ちゃんが言う。僕の冷えた身体が一気に熱くなる。「はよ、来いよ」川辺の友達たちが下から叫んでる。「じゃあまた」と慶ちゃんは行った。「やったー」僕は叫び、川へ飛び込む。火照った身体には川の冷たさが気持ちいい。
青春
公開:19/08/21 14:49

まりたま

いつか絵本を1冊出せたら...
そう思いながら書いてます。
少しだけホッコリしていただければ嬉しいです。
でも、たまにブラックも書きますけど。

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