ボンタンアメだろう

忘れたいセミヌード。
人間ドックのボーナスサービスで、「あの子に会える浮き袋」コースを選んだ。ドキドキ。
セミヌードの女の子が登場した。
「ビール売りの宿題をこなせなかった罰ゲームなの」
そうか、この人間ドックは裏でブラック企業が遠隔操作していると噂が。
「どんなシチュエーションがお好みですか？」
僕の胸に台風が渦巻く。
『か、家庭教師で』
「じゃあ、私が家庭教師ね」
「熱くなっちゃった、クーラーつけていい？」
金魚型のリモコンを手に、胸の谷間を見せるように前屈みになる。僕も前屈みになったところでブザーが！
「ここから追加料金でーす」
初任給は使い果たし、財布にはサラダクーポン券しかなかった。
目の前でやりがいが売り切れた気持ちだ。
会計で「心が寂しいです」と訴えると、「じゃあメンタルラミネート出しときますね！」と薬を渡された。
オブラートに包まれたボンタンアメじゃねーか。僕は笑った。