ラーミネーター

妙なサイボーグが世間を騒がせていた。

夜、青年が人気の無い道を歩いていると、背後で大男が見下ろしていた。
「誰だ！」
『ラーミネーターだ』
「ラーミネーター？」
刹那、男は眼球から赤い光線を青年の額に照射した。
「な、なんのまねだ！」
すると、黒い革ジャンの胸ポケットからラミネートされたカードが出てきた。
『おまえのメンタル状態だ』
「確かに、この通りだな」
『このままではメンタルは崩壊する』
「どうすればいいんだ」
『この続きはウェブで』
男はそう言って瞬足で立ち去った。

そのウェブページを開けると「メンタルトレーニングジム」というサイトにアクセスした。
「ずいぶん大掛かりな宣伝だな」

ラーミネーターが帰社するとオーナーが迎えに出た。
「ご苦労。このエリアはメンタルトレーニングジムの激戦区だ。頼りにしてるぞ」
『その前にもう少しメンタルが満たされるギャラをラミネートしてくれ』