消防車

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私は、土砂降りの雨の中、傘を差しながら自分の家を眺めている無機質な野次馬の間を掻き分けて進んでいく・・・

消防隊員が担架に人を乗せ、玄関から出てくる・・・

私は担架に駆け寄った。

「かあさん、かあさん、返事をしてくれ・・・」
私は母親を呼びかけた。

母親は、何者かに刃物で心臓を突き刺され、多量出血で即死していた。

私は涙を流しながら、消防隊員と一緒に救急車に乗り込み、奇跡的に目を覚ましてくれないかと母親の手を握りしめて祈った。

消防隊員は、困惑する私の顔をみるなり、頭を横に振り、申し訳なさそうな顔をした。

「うそだろ。うそだろ。絶対にありえない。俺は信じないぞ」
私は消防隊員の胸ぐらを掴み、感情をあらわにした。

私は母親の死を看取ったあと、犯人に復讐することを決意した。
いくら時間が流れたとしても、牙をむきだしにし、いつか魂をくらうと誓って。
その他
公開:19/08/22 22:59

神代博志( グスク )









 

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