障がい

散歩の途中、いい雰囲気の喫茶店を見つけた。
『介助犬・補助犬の同伴可能』
これはありがたい。ただでさえ車いすで入れる店は少ないんだ。そこに来て相棒と一緒に入れる店は貴重だ。
外観の通り、店はいい雰囲気だ。
それに足の不自由な私以外にも目が不自由なことで補助犬を伴いこの店にやって来ている人もいる。
少しだけ、そのことにホッとした。

店の扉が乱暴に開かれる。ガラの悪そうな男がやたら吠え回る犬を連れて入ってきた。
しかも私達を見るやいかにも迷惑そうな顔で睨みつけてくる。
目の不自由な人の杖を蹴飛ばし、私の車いすにわざとぶつかる。
そしてこともあろうに店長に「障がい者なんて追い出せよ！」と文句をつけていた。
店長はその言葉に微笑むと、男と犬を店から叩き出した。
「当店では『自分の事しか考えられない』という障がいをお持ちの方の入店はお断りさせていただいております」

この店は良い店だ。また来よう。