忘れたい夏の思い出
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あの日、セミダブルベッドの上で枕を濡らしていた。
セミファイナルで敗れたのだ。
優勝する気満々だった。優勝していれば、セミロングの彼女をベッドに迎え入れているはずだった。
しかし俺は敗れたのだ。
「うそつき」
その一言を俺の心に突き刺し、セミロングの彼女は去った。
一週間前の浮かれた俺に戻りたい。
それにしても短い夏だった。まるでセミだ。
そうか、俺はセミなんだ。
「ミーンミンミンミン!」
心を打ち砕かれた俺は、狂ったようにセミの鳴き真似をした。
「それでセミロング嫌いなの?」
「うん」
「セミダブルベッド買わないのも?」
「うん」
「バッカじゃない」
「忘れたいんだ」
「よく覚えてんじゃん」
「忘れられないんだ」
「ひどい」
「その子の事じゃないよ。セミの鳴き真似した俺自身さ」
「なんで?」
「あの時、窓全開だったんだよ」
以来、俺はご近所さんに「セミくん」と呼ばれている。
セミファイナルで敗れたのだ。
優勝する気満々だった。優勝していれば、セミロングの彼女をベッドに迎え入れているはずだった。
しかし俺は敗れたのだ。
「うそつき」
その一言を俺の心に突き刺し、セミロングの彼女は去った。
一週間前の浮かれた俺に戻りたい。
それにしても短い夏だった。まるでセミだ。
そうか、俺はセミなんだ。
「ミーンミンミンミン!」
心を打ち砕かれた俺は、狂ったようにセミの鳴き真似をした。
「それでセミロング嫌いなの?」
「うん」
「セミダブルベッド買わないのも?」
「うん」
「バッカじゃない」
「忘れたいんだ」
「よく覚えてんじゃん」
「忘れられないんだ」
「ひどい」
「その子の事じゃないよ。セミの鳴き真似した俺自身さ」
「なんで?」
「あの時、窓全開だったんだよ」
以来、俺はご近所さんに「セミくん」と呼ばれている。
青春
公開:19/08/18 14:00
忘れたいセミ
スクー
まったり。
2022年…3本
2021年…12本
2020年…63本
2019年…219本
2018年…320本 (5/13~)
壬生乃サル(MiBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)
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