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どうやら、俺は死んだようだ……。

 火の玉? 魂? のような形の行列に並んでいる。

 行列の前方を見渡すと羽の生えた男の子が行列を三つのルートに振り分けていた。

 階段、エスカレーター、エレベーター。

 階段の魂たちは皆しんどそうに上の方へと登っている。

 おそらく、生前の行いが悪かったのだろう。

 それから列は徐々に進み、俺の番がやってきた。

羽の生えた男の子は、メモのようなモノをチラッと見てから俺に言った。

「えー、あなたはエレベーターになります」

 ピロピロリンリン。

 メルヘンな音と共にエレベーターの扉が開く。

 驚く事に中にはエレベーターガールまでついているではないか。

なんという待遇の差なんだ。

 俺が意気揚々とエレベーターに乗り込むとエレベーターガールはボタンをポチッと押し、満面の笑みでこう言った。

「下へ参ります」
その他
公開:19/08/17 15:06
更新:19/08/17 15:09

恋するメンチカツ( 兵庫県 )

多くは語らぬ世の情け、見て感じ取り、考えよ!
次世代喜劇の執筆家、恋するメンチはカツの味!
恋メン劇場いざ、開演!!

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