濃いゴコロ

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 「なぁ」
そんな感じで君は鳴く。
 それが不機嫌なのか、上機嫌なのかを知る術は僕にはなく。
 とりあえず今日も。君は僕と違ってのんびり生きているんだなぁ、と思うことで精一杯だ。
 若者は恋愛したくとも金はなく、あいにくと寂しい独り身でござんして。
 だのに君には一目惚れをしてしまった僕は、ペットショップにて君とともに用具を一式買い揃えたのはつい最近のこと。
 財布はおかげで軽くなってしまったが、心は暖かくなった気がするので良しとしている。
 でもちょっと寂しいと思うならば、君の気持ちがわからないこと。
 出会って間もないのはあるかもしれないけれど、だからってもう少しくらい。僕は君の気持ちが知りたかった。
 だからあの日。
 「…ちょっと、明るい顔しなさいよ。」
なんのための私よ。
 自慢げに君が僕にアプローチしたのは。
 それでも僕を好いていてくれてるからだと思いたい。
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公開:19/08/20 03:09

塚村( 東京のはしっこ。 )

学生時代、物書きになりたかった過去がありけり。
気まぐれに書いてみようと思いました。

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