西大陸の話をしよう。～傲慢と嫉妬～

　西大陸の話をしよう。
　広大な草原と険しい山脈が特徴の国土を持ち、大陸の中心には、世界で最も高い山。
　オーダインタワーが聳える。
　主な財源は鉱物であり、西大陸の血脈と呼べる資源である。
　君主制を摂り、現在はピツァリア王家が実権を握る。
　オーダインタワーの麓の首都チェインラルドを含む７つの都市があり、その全てをピツァリア王家、またはその近縁者が統治している。
　外交頻度は乏しく、流入品には厳しい審査と規制が成されており、その目は国産品にも向けられているため、法縛国家と揶揄する声も多い。
　さらに水面下では、鉱山の所有と希少資源の売買によって莫大な資産と影響力をもった実力主義の貴族たちとの権威闘争が50年以上続いている。
　都市を囲う壁や、街の至るところに閉鎖的な建造物があるのもその証拠である。
　はてさて、ではそろそろ。
　そんな国を舞台にした、この世界の物語をひとつ紹介しようか。