不満のひと皿
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「彼女は不満を食べて生きているような人なのです」
「日頃のイライラをエネルギーに変えているような」
「そうです。だから是非、このレストランの料理を食べさせたくて」
「なるほど。たしかに私どもは不満のレシピを開発しました。ただ、どうも噂が一人歩きしてるようで…」
「と、申しますと」
「不満で元気になるなら、サプリのように食べてもらおう、という発想ではないのです。常に不満を抱えてなければ、心のバランスを崩してしまうタイプの人間はいます。そんな方のための精神安定剤となるのが私たちの料理です。つまり…」
「食べても怒りは鎮まらない。むしろ鎮まっているときに、わざわざ怒るきっかけを与える、と」
「近くの者には大迷惑です。それでもあなたは?」
「はい」
「愛ですね」
「いや…」
「分かりました。で、ご注文は?」
「炊きたてをこんもり、テイクアウトで」
「…」
「天国は安らかさしかないと聞きますもので」
「日頃のイライラをエネルギーに変えているような」
「そうです。だから是非、このレストランの料理を食べさせたくて」
「なるほど。たしかに私どもは不満のレシピを開発しました。ただ、どうも噂が一人歩きしてるようで…」
「と、申しますと」
「不満で元気になるなら、サプリのように食べてもらおう、という発想ではないのです。常に不満を抱えてなければ、心のバランスを崩してしまうタイプの人間はいます。そんな方のための精神安定剤となるのが私たちの料理です。つまり…」
「食べても怒りは鎮まらない。むしろ鎮まっているときに、わざわざ怒るきっかけを与える、と」
「近くの者には大迷惑です。それでもあなたは?」
「はい」
「愛ですね」
「いや…」
「分かりました。で、ご注文は?」
「炊きたてをこんもり、テイクアウトで」
「…」
「天国は安らかさしかないと聞きますもので」
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公開:19/08/19 15:31
400字って面白いですね。もっと上手く詰め込めるよう、日々精進しております。
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