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私は、千本鳥居の間を駆け抜けた。
鳥居を抜けると、シャングリラの崖の上に建築された色とりどりの城の光景が視界に広がった。
城と城の間には、一本の大きな橋がかけられている。
近くには、透き通った海があり、透明な体をしたゼリー状の魚の群が竜巻をあげるように泳いでいた。
100フィートある巨大鯨は、その群れを人災から守るかのように、水面の警備に当たっている。
この国では、毛織物産業が発展しており、女性達は、機械を使い、羊や山羊の毛で作った糸で織物を織っていた。
工場内では、長の号令をかき消すかのように、機械音が鳴り響いていた。
男性達は、家族を守るために、隣国と戦争を繰り広げている。
槍や盾といった戦術は使わずに、互いに痛みを分かち合えるすでごろの喧嘩である。
雲の上では、神様が人々の幼稚な争いを憐れむ目で眺める。
その他
公開:19/08/19 01:37

神代博志( グスク )









 

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