ストローで吸う月

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「ねぇ、今夜の月は赤くて大きいよ。」

「地平線の近くにある月が大きく見えるのは、目の錯覚さ。丸い筒で覗いてごらん。」

君は丸い筒を探した。

「ねぇ、ちょうどいい具合の筒がないんだけど…」

「そうだねぇ…あ、そのストローはどうかな?」

君は、飲みかけのジュースからストローを抜き、
ベランダに出て、月を覗いた。

「ぼんやりして、よくわからない。」

「水滴で、月がにじんでるね。」

君はストローを吸い、再び月を覗いた。
ストロー越しに見る月は、少しだけ小さくなっていた。

「月の味はどうだった?」

ふたりは、ストローで吸う月の味を、確かめ合った。
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公開:19/08/16 01:20
更新:19/08/16 01:21
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りゅうぺんちゃん( どこかの時代 )

タイムトラベルが大好きです。

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