ウォーターグライダー
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水中を飛ぶグライダーが開発され、新スポーツとして人気を博した。
リュック型の装置を背負って水に潜ると、張力発生装置が作動。周囲の水圧と抵抗を相殺する。抵抗がほぼ0になる為、人体の浮力とバタ足などの運動で、滑る様に進む。推進時に現れる波が翼に見える事から、ウォーターグライダーと名付けられた。
MAX時速はリニアを超え、一蹴りで太平洋の横断も可能だ。移動エネルギーが装置の稼働を維持し、付属のエラ・システムが海水から空気を合成するので、息継ぎやボンベの交換も不要。スポーツに限らず、移動手段としての整備も進み、海底ケーブルに連結した定期輸送マリンラインや、世海一周ツアーなるものまで企画された。
しかし、競技人口の増加に伴い、岩盤や氷山、船舶との衝突や、操作ミスによる遭難、多重領海侵犯などが取り沙汰されると、人気は瞬く間に下火になった。
結果ウォーターグライダーは、あえなく海の藻屑と化した。
リュック型の装置を背負って水に潜ると、張力発生装置が作動。周囲の水圧と抵抗を相殺する。抵抗がほぼ0になる為、人体の浮力とバタ足などの運動で、滑る様に進む。推進時に現れる波が翼に見える事から、ウォーターグライダーと名付けられた。
MAX時速はリニアを超え、一蹴りで太平洋の横断も可能だ。移動エネルギーが装置の稼働を維持し、付属のエラ・システムが海水から空気を合成するので、息継ぎやボンベの交換も不要。スポーツに限らず、移動手段としての整備も進み、海底ケーブルに連結した定期輸送マリンラインや、世海一周ツアーなるものまで企画された。
しかし、競技人口の増加に伴い、岩盤や氷山、船舶との衝突や、操作ミスによる遭難、多重領海侵犯などが取り沙汰されると、人気は瞬く間に下火になった。
結果ウォーターグライダーは、あえなく海の藻屑と化した。
SF
公開:19/08/15 23:59
創樹(もとき)と申します。
葬祭系の生花事業部に勤務の傍ら、物書きもどきをしております。
小石 創樹(こいわ もとき)名にて、AmazonでKindle書籍を出版中。ご興味をお持ちの方、よろしければ覗いてやって下さい。
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ベリーショートショートマガジン『ベリショーズ』
Light・Vol.6~Vol.13執筆&編集
他、note/monogatary/小説家になろう など投稿サイトに出没。
【直近の受賞歴】
第一回小鳥書房文学賞入賞 2022年6月作品集出版
愛媛新聞超ショートショートコンテスト2022 特別賞
第二回ひなた短編文学賞 双葉町長賞
いつも本当にありがとうございます!
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