拾秒怪談 林間学校の女の子

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それは50年前の8月15日、林間学校でのお話です。私はホタル観賞の帰り迷子になってしまいました。暗闇で一人佇み、一粒の涙が零れ落ちたその時

「遊ぼう」

と後ろから声がしました。振り向くと一人の女の子が立っておりました。三つ編み姿のかわいい女の子でした。

それから私たちは流れ星を数えたり、月の模様が何に見えるかを当てっこして遊びました。迷子のことなどすっかり忘れ、楽しい時を過ごしました。すると突然女の子が「帰って」と言うのです。「まだ遊びたい」と私が言うと、それでも「帰って」と言うのです。

その時です。「いたぞ」という声とともに私は目を覚ましました。三日後私は保護されたのです。途中の記憶は全くありません。病院のベットの傍らで、両親と姉が泣いておりました。


あれ以来、8月15日になると今でも彼女がいるような気がするのです。遊ぼうと声のしそうな気がして、私は後ろを振り向くのです。
ホラー
公開:19/08/15 20:15
更新:19/08/20 12:50
遊ぼう

suurijuku

第27回ゆきのまち幻想文学賞「大湊ホテル」入選
第28回ゆきのまち幻想文学賞「永下のトンネル」長編佳作
一期一会。
気の向くままに書いては、読んで、コメントしています。
特に数学・物理系のショートショートにはすぐに化学反応(?)します(そんな系はないですが 笑)
ガチの数学ショートショートを投稿したいのですが、数式が打てない……
何か良い方法があれば教えてください・・・

一行怪談も好きです。某サイトで応募した一行怪談創作集。こちらもどうぞ。
→ https://suurijuku.web.fc2.com/kaidan/ichigyoukaidan01.pdf

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