欲張りな犬

昔々ある所にとても欲張りな犬がいました。

欲張りな犬は今日も一番いい肉を咥えて意気揚々と散歩をしていました。

欲張りな犬が橋を渡っている途中、川の中を見れば自分よりいい肉を持っている犬がいるではありませんか。

それは欲張りな犬の姿が川面に映っているだけなのですが、欲張りな犬はそれに気付きません。

欲張りな犬は川面に映った自分の姿に向かって『そいつを寄こせ！』と吠えました。

その拍子に欲張りな犬は自分が咥えていた肉を川の中へ落としてしまいました。

すると川面に映った欲張りな犬は、欲張りな犬が落とした肉をキャッチすると、二つのいい肉を器用に口に咥え、ニヤリと笑いました。