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あ…ハート型の花火…
あなたがよくいたずらに描いていた形にそっくり。とうとう上手に描けないまま逝ってしまったね。今、私にメッセージくれたんでしょう?ぼくはここにいるよって。ずっとそばにいるよって。あなたがハートを描いたのね。

「よう、タマ屋の若旦那。」
「あ、カギ屋の兄さん、どうもお疲れ様でした。」
「タマ屋は今年も新作に挑戦したなぁ。ネコだのレモンだのとよくまあいろいろ考えたもんだ。だがあのハート型はまだまだだな。不格好でいけねぇ。」
「いや、あんなハズじゃなかったんですよ。風も無かったし、おかしいなぁ。」
「火薬のちょっとした調合で変わっちまうからな、まぁまだまだ精進しろって事だ。」

本当のことを知っているのは花火だけ。

「きれいだったね〜。」
「変わった花火も多くて良かったね〜。」
花火見物の人たちが言葉を交わしながら帰っていきます。
その他
公開:19/08/15 06:09

文月そよ

のんびりゆるぅり書いてみたいと思います。

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