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私は、暗闇の蜘蛛の糸に絡みつき、身動きが取れない状態である。
暗がりから、ジョロウグモが顔を出し、私の頬を舌で舐める。

「うまそうだ。人間にありつけるのは久々だ」
私は顔を真っ青にし、ただただ、糸をほどこうと身体をよじらせた。

ジョロウグモは、口を大きく開き、私を頭からのみ込んだ・・・
私が腹におちると、おくびをし、私が体内で消化されるのを待った。

私は粘着質の海の中で溺れ、最後の息を吐いた後、どんどんと下に沈んでいった。

楽しかった当時の記憶が蘇るのかと思ったが、人間は死に直面すると、咄嗟に思い浮かぶのは、現状を受け容れるための覚悟のみであった。

私は不毛にも手を高く伸ばした。
都合良く罪を忘れ、運良く生き延びる術を求めて・・・
その他
公開:19/08/16 22:53

神代博志( グスク )









 

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