幸せになってください。

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「幸せになってください」
彼女の結婚が決まり、苦悩の挙げ句に伝えた言葉も、彼女の耳には届かない。

彼女との出逢いは運命的で。
冷たい雨の日にガキの俺は喧嘩に負けてボロ雑巾の様に崩れ落ちていた。
彼女が助けなければ息絶えていたろう。
その後も見舞いに来ては、世界全てが敵だった俺を涙目で見ていた。

天涯孤独の俺は、彼女の家に引き取られた。
彼女の家族は温かく辛抱強く接してくれた。

いつの間にか、俺も彼女も大人になっていた。

一生守ると決めてたけど、お役御免らしい。

「あんた、コタ連れて嫁に行く気!?」
「お父さんは反対だ。猫は家につくと言うし」
「お父さんは猫キライだったでしょう!」
「コタは家族だ!」
「コタはお母さんが一番なの!」
「兎に角! 一緒に行く!」

また喧嘩してる。
彼女は俺が見えなくなると涙目で探し回るのだ。

腹が立ったから、脇腹をつついてやった。
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公開:19/08/13 18:18

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