デジタル遺品

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父親が亡くなった日から数日後、ある問題が起こった。
国から相続税を払って下さいと請求があったのだ。
その金額3000万円
当然のことながらすぐに払える金額ではない。
そもそも、父親がそんな資産を持っているはずがない。
まさか、サギなのでは?
私は弁護士に相談した。
弁護士曰く「あなたの父親はこつこつ暗号資産(仮想通貨)をやっていたようですね。ざっと試算してみたところ3億円です」
「三億だって、信じられない。でも、それだけの資産があるのならば3000万円なんてすぐに払えますよね」
「残念ながらそうは行きません。あなたはその暗号資産を開くためのパスワードを知っていますか」
「知りませんよ。今、初めて父親が暗号資産をしていた事を知ったのですから」
「やはり、そうですか。それならば、必ずパスワードを見つけて下さい。さもないと、あなたは数日中に何もかも失うことになりますよ」
家、恋人、仕事、信頼をね
公開:19/08/14 14:21

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