巨大な塔

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シナイに巨大な塔が立っている。その塔は空を突き抜け、宇宙まで伸びている。
この塔がどこまで伸びているのか調べようとしても、強力な電磁波を発しているため電子機器を寄せ付けない。デジカメを向ければ壊れるし、飛行機は墜落する。衛星写真も電磁波のせいで雲がかかってしまう。
唯一の可能性は気球だが、限界高度に達しても頂上には届かない。
謎は深まるばかりだった。
ある日、この塔から金属塊が落ちてきた。素材は不明。この金属はあらゆる分析に耐えて、まさに難攻不落だった。
ある学者がひとつの説を唱えた。
「これこそ重力の正体ではないか」
全ての重力は別次元において金属で結ばれており、たまたま人類が住む次元に飛び出てしまったのが塔の正体というわけだ。
その学者は世界中から嘲笑された。だが、天文学者が警告した。金属が降った翌日から公転軌道が変化し、地球が宇宙の孤児になりつつあるという。
全世界が真っ青になった。
SF
公開:19/08/10 09:06

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