ブラウン氏の冥界奇行_(9)

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原告側は、ブラウンがいかに悪人だったかをことさらに強調した。
子供時代の親殺し、不良時代の喧嘩で相手を殺したこと。そして傭兵時代味方を見殺しにしたこと……。

「これほどの大罪人は地獄で裁かれるべきです!」
裁判官とおぼしき黒羽根の男は大声で絶叫する。
「そうだ!」「地獄に落ちろ!」傍聴席からもそれに賛同する声が相次いだ。

ブラウンにも言い分はあった。親は彼と妹を虐待してきた屑だったし、喧嘩だって正当防衛であり、
味方を見殺しにしたのも罠を回避するためだ。
(傷ついた敵をわざと放置し、助けにきた敵を狙い撃ちする。単純だが効果的な罠だった。)
だが、ブラウンが声をあげようとすると、必ず相手は邪魔をしてきた。味方はいない。

その時、カランと何かが落ちてきた。ナイフだ。
アズライールが口を開いた。
「そのナイフで斬られたものは地獄に落ちる。ただし持てるのは罪がないものだけ。さあどうする?」
ホラー
公開:19/08/12 13:57

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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