私をくるむもの

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「王様、もう降参して下さい。四方は敵軍が囲んでいます。さらに言えば退路は断たれました。チェックメイトです」
「もう少し待ってくれ。そうすれば援軍が来るはずだ」
「いいえ、王様、もう援軍は来ません。味方の将は敵軍の捕虜になりました」
「うむ、万策尽きたか」
「どうなさいますか?」
「仕方あるまい。投降しよう」
「どこに投稿するのですか?」
「聞かずとも分かっておろう」
「なるほど、新聞社ですね。世論を味方に付けるおつもりなのですね。昔から「ペンは剣よりも強し」と言いますしね」
「う、うむ、さすがは私の軍師。私の考えを良く理解している」
「恐れ入ります」
「それではすぐに投稿の準備をしたまえ」
「もう、整っております」
「さ、さすがだな。仕事が早い。私はお前の様な優秀な部下を持って幸せだぞ」
「とんでもない。私が優秀であればこのような事態になどなっておりません」
「そ、それもそうだな」
公開:19/11/11 22:23

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