恋愛警察
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「中学の時、しのぶのこと好きだったんだ。いまさらだけどさ。」
「遅いよ、よしくんは、いつも。なんで今頃そんなこと言うの?」
中学校の校舎裏。大きな桜の樹の下に埋めたクッキーの缶を掘りながら僕は告白した。タイムカプセル。子供のお遊びだ。ホントは中身を出してから言うつもりだった。
あれから20年。僕は独身のままだった。しのぶが結婚して町を出てから10年が経ち、こうやって戻って来た。
埋め戻した缶が再び現れ、フタを開けようとしたとき、突然ライトに照らされた。
「恋愛警察だ! そこを動くな!」
なぜバレたんだろう。
「埋めた当時には無かった指輪によるプロポー ズは、恋愛禁止法思い出補正編第12条違反である。」
しまった。やっぱりこの手は使えなかったか。
「よしくん、ホント不器用だね。素直に言ってくれれば好いのに。」
「じゃ、結婚して」
「いいよ」
僕たちはラブラブだ。
「遅いよ、よしくんは、いつも。なんで今頃そんなこと言うの?」
中学校の校舎裏。大きな桜の樹の下に埋めたクッキーの缶を掘りながら僕は告白した。タイムカプセル。子供のお遊びだ。ホントは中身を出してから言うつもりだった。
あれから20年。僕は独身のままだった。しのぶが結婚して町を出てから10年が経ち、こうやって戻って来た。
埋め戻した缶が再び現れ、フタを開けようとしたとき、突然ライトに照らされた。
「恋愛警察だ! そこを動くな!」
なぜバレたんだろう。
「埋めた当時には無かった指輪によるプロポー ズは、恋愛禁止法思い出補正編第12条違反である。」
しまった。やっぱりこの手は使えなかったか。
「よしくん、ホント不器用だね。素直に言ってくれれば好いのに。」
「じゃ、結婚して」
「いいよ」
僕たちはラブラブだ。
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公開:19/11/12 20:26
更新:19/11/26 19:37
更新:19/11/26 19:37
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思い出補正
オオカミの自信作
武蔵の国の辺境に棲息する“ひとでなし”のオオカミです。
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