夜釣りの楽しみ方

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夜釣りが趣味の私は今宵も気に入りの場所から糸を垂らす。
「釣れますか?」
そう聞いてきたお爺さんに「いい塩梅です」と言ってバケツの中を見せた。
バケツの中では足や腕、背中がぴくぴくと動き回っている。
「これは活きのいい釣果だ」
微笑むお爺さんに「夜釣りならではの楽しみです」と答えた。
神を営んでいる私は罪を犯した人間に対し、部位釣りを行っている。
睡眠中、突如体の一部が攣り苦しむあの現象。あれは私が与えた罰だ。
おっと…今日は大物が釣れるな。こんな立派なこむら返りは中々お目に掛かれない。今日は調子がいいぞ。
「もしよろしければ、いくつか譲って貰えませんか?私、こう見えて裁くの得意なんです」
私はお爺さんにいくつか釣果を譲ることにした。
するとお爺さん、釣った部位から情状酌量を抜き出したではないか!裁くのが得意というだけある。
私はお爺さんと三日月の端で一杯やりながら夜釣りと会話を楽しんだ。
ファンタジー
公開:19/11/12 18:57

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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