わたしをくるむもの

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僕と佳奈は幼馴染である。
小中高と一緒の学校へ行き、仲も決して悪くない。
だから、僕は時々、佳奈の部屋に行き、佳奈の悩み相談にも乗っている。
だけど、そんな事を続けているうちにどうやら僕は佳奈の事が無性に気になるようになった。
「佳奈、相談に乗って貰っても良い」
「なあに、急に改まって」
「実は最近、君を見ると心臓がドキドキするんだ。これってどうしてだと思う」
「う~ん、それはきっと、草津の湯でも治せないと言うあれね」
「つまり」
「心臓弁膜症よ」
「心臓弁膜症?」
「そうよ。心臓弁膜症。最近、食欲不振になっていない?」
「確かに。前よりも食べる量が減った気がする」
「ため息が増えていない?」
「ああ、確かに」
「やっぱり、心臓弁膜症よ」
「そうか。僕は心臓弁膜症だったのか。あはは」

それを聞いていた友人達は「もういい加減にあんた達、くっつきなさいよ」とやきもきするのであった。
公開:19/11/11 12:20
更新:19/11/11 12:28

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