保護するシュレッダー

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個人情報保護法のせいでなんでもかんでもシュレッダー。
そのくせ世の中からゴシップはなくならないし、近所の噂話だって花は咲いても枯れたという話は一切聞かない。

紙というのは不思議なもので、未開封のコピー用紙ならごみ袋に何冊だって入るのに、シュレッダーにかけた紙途端袋が何枚も必要になる。

こんな紙切れを守って私のプライバシーは守らないなんて、そんなの間違ってる!
そう怒りをぶつけた日から、破砕された紙はゴミ受けには入らず天井から降ってくるようになった。

「どうなってるんだ!」
「私はちゃんとシュレッダーにかけました。
 その後のことは私の責任ではありません。」

これもあれもあぁそれも!
保護しなくては大事な個人情報でしょうこの紙切れも。
朝から晩まで吸い込ませて降り積もる。
この調子なら数日で私の姿は見えなくなる。
私が居たことすらきっと。

あぁもうすぐやっと私も保護される。
ファンタジー
公開:19/11/11 12:02

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