わたしをくるむもの

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パラリラ、パラリラ
「おめえ、絶対、実家は肉屋だろ。さっきからメンチを切ってんじゃねえよ。おめえ、何中だ。俺はアル中だぞ。コノヤロー」

パラリラ、パラリラ
「おめえ、どこに目を付けてやがる。福笑いはこうするんだよ」

パラリラ、パラリラ
「おめえ、俺にけんか売っているのか。買ってやるよ。献花」

パラリラ、パラリラ
「おめえ、舐めてんのか。こんな空気が乾燥した日はちゃんとのど飴を舐めやがれ」

パラリラ、パラリラ
「おめえとは絶対にそりが合わねえよ。この野郎。俺は犬を連れて来いと言っただろ。なんでアルパカなんだよ」

そんな言動をしていたせいで俺、赤鼻のトナカイはみんなの笑いものになっていた。
ある日、俺の元へ白髭の老人がやって来た。
何でも俺に協力して欲しい仕事があると言う。
当然、仲間達は「あんた、苦労するぜ」と忠告した。

それから数ヶ月後、その忠告の言葉は老人の名前になった。
公開:19/11/11 10:16
更新:19/11/11 16:19

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