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ああ。また巨大化していると心の中で呟いた。
実際は声に出ていたのだが、誰も気に留めない。
空間と話す人はその辺中にいるのだから。
初めて渋谷に来たのは、17歳の冬の早朝だった。
親に嘘をついて深夜バスに乗り、制服のまま渋谷で降ろされた。そのまま行くあてもなく、LOFTが開くのを待っていたら私服の刑事さんに声をかけられた。
私の方言を聞いて、懐かしいなあと強面の顔をクチャっとして笑ったのを今でも覚えてる。
19歳の時、留学先で知り合った2コ上のツトムに会いに深夜バスで渋谷に降りた。なぜか黄色の小さい花束を持って待っていてくれた。2度目の渋谷は2年前よりはるかに巨大になっていた。
上にも横にも、大きくなっていて、伸び放題の食用花が茎をグデングデンとその辺中に伸ばしているかのようだった。
あれから30年。来るたびに食用花は巨大化し、人々を食べまくり、数を増やしている。そして私も食べられる。
実際は声に出ていたのだが、誰も気に留めない。
空間と話す人はその辺中にいるのだから。
初めて渋谷に来たのは、17歳の冬の早朝だった。
親に嘘をついて深夜バスに乗り、制服のまま渋谷で降ろされた。そのまま行くあてもなく、LOFTが開くのを待っていたら私服の刑事さんに声をかけられた。
私の方言を聞いて、懐かしいなあと強面の顔をクチャっとして笑ったのを今でも覚えてる。
19歳の時、留学先で知り合った2コ上のツトムに会いに深夜バスで渋谷に降りた。なぜか黄色の小さい花束を持って待っていてくれた。2度目の渋谷は2年前よりはるかに巨大になっていた。
上にも横にも、大きくなっていて、伸び放題の食用花が茎をグデングデンとその辺中に伸ばしているかのようだった。
あれから30年。来るたびに食用花は巨大化し、人々を食べまくり、数を増やしている。そして私も食べられる。
青春
公開:19/11/11 20:55
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