節目が気になる

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俺は小さな頃から全てにおいて成功を収めてきた。ずっと努力を続けてきたからだ。
周りは俺を天才と呼んだ。俺はその名に恥じぬ努力を続けた。
しかし無理な努力はいずれ限界が来る。
俺は失敗した。
たった1度の失敗。
それだけで俺の人生は終わりを迎えた。
周りの俺を見る目が変わった。
天才だと持て囃していた連中が俺を罵った。
それでも俺は失敗を払拭する為に努力を続けた。
『どうせまた失敗する』『アイツはもうダメだ』
連中の俺を見る目は変わらなかった。
俺は耐えられなくなって逃げ出した。
すると逃げ出した俺を視線が追う。
もうやめてくれ!
逃げても逃げても視線は俺の節々にまで突き刺さる。
節々に刺さった視線は俺を面白そうに見つめた。
俺はそんな視線を、節目を一つ一つ潰した。ついには俺の目も潰した。
それでも俺は視線が気になる。俺には分かってしまうんだ。

だって…
あんた今、俺の事を見ているだろう?
ホラー
公開:19/11/11 19:03

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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