大人になる

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いつから憧れていたのか、いつから避けるようになっていたのかは覚えていない。気付いたら、またここに戻ってきていた、そんな場所。学生は時代に染まりたくて訪れ、せっかくの個性を消しにこの地にやってくる。社会人になると、社会の厳しさに初めて触れ、人が嫌になり、自然と人との繋がりを避け、この地を離れた。
今は?
30歳になった今はまた、なんでだろう。この地に戻ってきてしまったのだ。私には合わない、来ても自分が適応力がなく、社会から孤立しているのだと思い知らされるだけなのに。久しぶりに訪れるこの地は、何故だか嫌な気持ちにはならなかった。すれ違う人々が何を考えているのか、自分はどんな風にみられているのか、不思議と気にならなくなった。ついに、人に怯えない日がきたのだ。
 
 それは、自分が時代に染まる事が出来たからなのか?

違う。私は抜けたのだ、無意識に作っていた架空の世界を。
私と成長と渋谷。
その他
公開:19/11/11 18:06

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