わたしをくるむもの

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私が山道を歩いていると突然、山賊集団が現れた
山賊は私の周囲を包囲し、こう言った
「お前が持っているものを置いていけ」
仕方が無いので私は手に持っていたクマのぬいぐるみを地面に置いた。
しかし、山賊は「他にも身に着けているものがあるだろう」と言う
「やれやれ、困ったなぁ」
私はしぶしぶ頭に被っていたカツラと顔の顎髭を外した。
「これで文句ないだろ」
「いや、まだだ。お前はまだ色んなものを持っている。試しにジャンプして見ろ」
チャリン、チャリン
「ほら、持っているじゃないか。お金を」
「これを渡せば気が済むんだな」
「いや、まだだ」
「え~、欲深いな。それで君達は何がご所望なの」
「身ぐるみ全部置いていけ」
「そんな事で良いのかい」
私は山賊の目の前で自分自身を覆う全身の皮膚をバリバリと引き剥がし、山賊に渡した。
「いや、そこまでしなくていい。こんな寒空、そんな恰好じゃ、骨身に染みるだろ」
公開:19/11/09 22:34
更新:19/11/10 09:43

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