いちかばちか

運任せの勝負を、『いちかばちか』と言いますね。漢字で書くと一か八か。それね、本当は違うんですよ。
賭博用語が語源だなんて、誰が広めたんでしょうね。丁半の漢字から取っただの、サイコロの一の目か、しくじりの罰かを意味しているだの、こじつけも甚だしい。……そうですね、当たっているとすれば、『罰』の所だけ。何しろこの言葉、元々『いちかばちか』なんて読みでもなかったんです。そもそもおかしいと思いませんか？『ばちか』が数字の八なら、『いちかはちか』でいいはずだし、罰は『ばつ』で済むでしょう。わざわざ読み難くする必要がありますか？そして『いちか』が一なら、そちらは何故そのまま読むんでしょうか。
答えは簡単。両方違ってるんです。
肝心かなめの大勝負に、運を天に任せるなんて、そんな無謀で無責任な事、天が赦すわけがない。だから正しくは『いつかばちが』
つまり貴方が地獄に堕ちたのも、天の罰が当たったからですよ。