色彩の魔術師と失われた色(弐拾壱)

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バートンは上機嫌だった。
なにしろ眼下には彼の配下となる魔術国際連盟軍と各国の軍隊がずらりと整列している。
ルシファーの爪と指導者のアリーを倒せば彼の名は偉大な指導者として残ることになるだろう。
アリーと密約をした件は闇に葬る必要はあるが自分の立場なら何とでもなる。
演説の原稿を何度も読み直しているところで従者が慌てて駆け込んできた。

「バートン様! 大変です」
「なんだ! この忙しい時に」

従者に連れられて外に出ると、大空一面に鳩が飛んでいた。
平和の象徴であり、白魔術師のシンボルである鳩がこれだけいるのは吉兆といっていい。
問題はその鳩が紐で吊り下げているものだった。
巨大な黒い板にはバートンとアリーが親し気に会話している姿が映り、誰もが眉をひそめるような会話をしていた。
呆然としているバートンにダンカンが兵士たちを連れてバートンに詰め寄る。
「あの映像について説明をお願いしたい」
ファンタジー
公開:19/11/08 20:43

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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