隣の牡蠣はよく客食う牡蠣だ

隣に住む牡蠣型の宇宙人の家に客がやって来た。
バード星出身の鴨型宇宙人らしい。
一人目のお客とはとくに喧嘩する様子もなく、和気あいあいと談笑する声が聞こえていた。

ところが、そこへもう一人の客がやってきてから、少し様子がおかしくなった。
｢おっ、おい、何をする気だ！」
｢やめろ、やめてくれ！」
ガシャーーーーーン！
ドン、ドン、ドン、ドン、ドンッ！
｢ギャアーーーッ！」
ぶぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおお！
と激しい物音が聞こえたかと思うと、ついに物音がしなくなった。
しばらくすると何かを調理する良い匂いが漂ってきたので、これはただ事ではないと思い、おれは警察に通報した。
そして牡蠣型の宇宙人の男は、二人の客を鍋料理にして食べている所を現行犯逮捕された。二人が並んでいる姿を見ていると、どうしても食べてみたくなったということだ。

どうやら後から来た客は、ネギ型の宇宙人だったらしい──。