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私はスープという料理が大好きだ。長い時間煮込めば、具材は全てどろどろに溶けてしまう。
賞味期限切れの材料も、犯罪に利用した冷凍牛肉も、スープで煮込んでしまえば証拠隠滅出来る事を私は知っている。
だから私はスープを煮込む。
「ただいま~。いい香りね」
母が仕事から帰ってきた。私は何も告げずに母にスープを提供した。母娘団欒の時間だ。
「ところでテストどうだった?見せて」
私は薄く笑い、母のお腹を指さした。
そう、私がスープの具材に選んだのはテストの答案用紙だ。
それも今では私達のお腹の中。完璧な証拠隠滅だ。
「…成程。平均42点と言ったところね」
しかし母は私のテストの点数を的確に当ててきた!何故分かった!
「雑味が多い。分量を間違えている。煮込み時間が長すぎる。…まだ聞きたい?」
私は首を横に振った。
「それじゃ、スープのお礼に勉強と料理を教えてあげるわ」
その言葉を皮切りにオカンが走った!
ホラー
公開:19/11/08 18:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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