8月5日

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SNSの友人のフォロワーを辿ったり、街を歩く人々を眺めていると、女の子なんて世の中に掃いて捨てるほどいることに気づく。それにしても、僕には彼女ができない。顔は悪くないし、背も高いし、清潔感もあるし、炒飯も上手に作れる。無いのは、金だけだ。金は天下の回り物だと誰かは言うが、どうして俺のとこには回ってこないのか。

あてもなく渋谷をほっつき歩いていた。金がないからぶらぶら歩くより他にすることがない。タワレコで最新の洋楽を視聴したり、ドトールで、文庫本を読んで時間を潰したり109で買う気もない服を眺めた。ただ、時間は無為にすぎていく。西日が傾いて街はオレンジ色に染まった。ハチ公前のスクランブル交差点の信号が青になる。向こうから歩いてくる女の子に僕は見惚れた。彼女も僕の方を見ていた。すれ違いざま、僕は後ろを振り向く。すると彼女も振り返り、ーーなんてことはなくて、今日もまた1日が終わる。
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公開:19/11/08 17:43
恋愛 青春 渋谷

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