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ママが「マカロニサラダを作るわね」と、大きなおなべにお湯を沸かした。ぼくはうしろに立ってそれを見ていた。
バラバラと袋からおなべにマカロニをいれた。グラグラ煮えるお湯に入った途端、マカロニは身体をくの字に曲げて、穴がヘの字にゆがんでいた。
「ママ?」とぼくはママのエプロンを引っ張った。そしたらママは「あぶない! ひっくりかえったらたいへんでしょ!」って怒った。
なべの中のマカロニは、みんな気を付けをするみたいに立って、ゆらゆら揺れていた。首のないチンアナゴみたいだ。
ピピピピってタイマーがなった。ママがよいしょっておなべをもちあげて、流しに置いてあるザルにあけた。すごい湯気だった。流しがボンッって爆発するみたいな音をたてた。ママはグッタリしたマカロニを、ザルごと水の入ったボールに沈めた。マカロニからは、いつまでもプツプツとあぶくが出ていた。
その日からぼくはマカロニがこわいんだ。
バラバラと袋からおなべにマカロニをいれた。グラグラ煮えるお湯に入った途端、マカロニは身体をくの字に曲げて、穴がヘの字にゆがんでいた。
「ママ?」とぼくはママのエプロンを引っ張った。そしたらママは「あぶない! ひっくりかえったらたいへんでしょ!」って怒った。
なべの中のマカロニは、みんな気を付けをするみたいに立って、ゆらゆら揺れていた。首のないチンアナゴみたいだ。
ピピピピってタイマーがなった。ママがよいしょっておなべをもちあげて、流しに置いてあるザルにあけた。すごい湯気だった。流しがボンッって爆発するみたいな音をたてた。ママはグッタリしたマカロニを、ザルごと水の入ったボールに沈めた。マカロニからは、いつまでもプツプツとあぶくが出ていた。
その日からぼくはマカロニがこわいんだ。
ホラー
公開:19/11/07 14:36
こわいわけ
星新一さんのようにかっちりと書く素養に乏しく、
川端康成さんの「掌の小説」のように書ければと思うので、
ショートショートとはズレているのかもしれないです。
オチ、どんでん返し、胸のすく結末。はありません。
400文字、おつきあいいただければ幸いです。
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