私がくるむもの

「今日は車を」
「乗って来たのか？」
「いえ、乗ってきませんでした」
「車無いのかよ」
「お詫びに新商品の大福を持ってきました」
「中身はあずきか、それとも苺が入っているのか？」
「いえ、くるみ割り人形です」
「人形かよ。おいおい、よくそれを商品に出来たな」
「大丈夫。大臣にはこれを包んで渡しておきましたから」
「まさか、お前、大臣に賄賂を」
「いえ、焼売です」
「焼売かよ。まさか、これでおしゅまいなんてオチか」
「いえ、私の料理の腕は昔に比べ、鈍りました。やれやれ私も焼きが回ったものです。ですから今度は人形焼き店を来週、新装開店します」
「宣伝かよ」
「私の作る料理は皆さんの愛に包まれていますからね。その証拠に私の作る料理は「いつもあなたをアイス」って意味がありますから」
「わぁ～、臭いわ」
「えっ、私の料理、腐っていましたか。急いで異臭が発生する前にビニール袋で何重にも包んでおきます」