深夜新聞

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冷え切った室内に呼び鈴が鳴り響く。
「すみませーん。深夜新聞です」
目覚まし時計は午前零時を示している。聞き馴染みのない新聞名と、訪れる時間の遅さが不気味ではあったが、私は勧誘を断れない体質なので布団を抜け出し玄関に行き、ドアを開けずに返答する。
「はーい。何用ですか。眠いので手短にお願いします」
「私、深夜新聞というものを渋谷区の住民の皆様に無料でお配りしているのですが、無言で郵便受けに入れるのは無礼だと思いまして、こうして呼び鈴を押して、返事をして頂けた方に新聞を受け取ってもらっています。ドアは開けなくて結構ですので、郵便受けからどうぞお受け取りください。読まなくても構いません。夜分遅くに失礼しました。では」
「あの、深夜新聞って何ですか?」
「読めばわかりますよ。おやすみなさい」
郵便受けに差し込まれた深夜新聞を受け取り、一面に目を通した私はその日、未曾有の快眠に見舞われた。
その他
公開:19/11/07 22:21

上北 うてな

行き場を失い、メモ帳に彷徨うネタ達をここで消化&昇華させてます。

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